教科書ってどうなっているの? 4
「是非、お願いしましょう。三沢にはもう一店欲しいと思っていたんですよ。三沢では好文堂さん一店だけで、うちの商品を全部売ってくれるのなら、ともかく、街の規模からいっても、もう一店欲しいところなんですよ。あなたの方からもいらっしゃらなくても、むしろ私の方からお願いにあがることになるかも知れません。教科書というものは、教育委員会との信頼関係が必要ですし、充分に調査をしたいと思います。教科書以外のものならすぐにでも送ります。調査が済み次第、契約をしましょう。」
この言葉を聞いて私は、これならもう間違いないと思った。
私も教科書ルートに入れてもらえるものと考えたのである。
三沢市内では好文堂と当店以外の書店はみな貸店舗であるし、教科書は毎年十一月ごろから書店に送られて来て新学期まで保管しなければならず、そのためには教育委員会と信頼関係があるのはもとより、当然倉庫も必要だろうし、保険加入の必要もあるだろう。
さらには資金能力とか、学校の近くかどうか、わかり易い場所にあるかどうかなど、教科書取扱いにはさまざまな条件が出てくる。
幸い、私の場合は、それらの点ではほとんど問題がない。
すべての条件をみたしているともいえたから、蛇穴氏のいってくれた言葉に対して私は、なるほど、さすがは見ているところは見ているものだな、当方の能力や信用面から見ても間違いはなかろうと考えたわけであった。
たしかに、これで、何とかなりそうな感じですよね。