夢は何のために見る?
たとえば、夢見を奪われた人がいつもどおりベッドで眠ってよいと言われると夢見睡眠が増えますが、その増加分はたいてい奪われた夢見時間の総量に比してすくなくしかも漸減傾向がある、という現象がそうです。
とはいえ、夢は正気を保つのに必要だ、という基本的発想を支える証拠の主要部分は今では葬られてしまいましたから、夢見回復説はこれまでどおり信仰の問題として残っているわけです。
夢見のさいには記憶の再構成、つまり覚醒時に憶えたことを整理し収納する、といった有用なはたらきが実際におこっているかも知れない、という考えも否定されていません。
問題は、これら有用なはたらきが身体と精神の健康さらには人類の生存に必須なのかどうかということです。
夢の調節機構は精巧なものです。
何百年もの歳月の進化の歴史をかけて、ただたんに治癒作用という幻想を生むためにつくられたのでしょうか、それとも、ほかのもっとありふれた要因で出現するようになったのでしょうか。